類人猿から類神猿へ

2010年1月31日 須磨講演会

 今地球に70億の人類がいます。その知恵の結集である物質文明も爛熟期にあり、各分野のそれぞれの研究、実験、発見があります。三人寄れば文殊の知恵といいますが、そのすごい人数の知恵の集大成が今です。日進月歩で加速的にすごいものになってだんだん神の領域に達してきています。宇宙に創造された人間が、宇宙のしくみまで知り尽くしていくということです。
あらゆる分野を解明してきたすごい資産です。この膨大な人類の遺産である文明を絶対に潰してはならないのです。
宇宙の一素粒子であるところの人間が、宇宙そのものの解明にまでのりだしてきたのです。
すごい知恵です。

ところが文明は神の領域まで進歩していくが、よく考えないといけないことがひとつあります。
霊長類といわれる人間とチンパンジー。これは染色体が少しちがうだけでよく似ています。その霊長類の最高であるチンパンジーの世界では殺し合いがある。いきなり他の集団を襲って皆殺しにする。これをするのは人間とチンパンジーだけです。人間もそのチンパンジーにちょっと毛が生えたところだから闘争心旺盛なのです。
殺し合いをやるのです。人類このかた人間の業とでもいいましょうか、争いをやめたことがない。徹底的にやっている。
同類で殺し合っているのです。
それをもうひとつ乗り越えないとこの膨大な人類遺産は遺せません。

 いま人類を何百回殺しても余るほどの核があります。核は抑止力の働きをしません。誰でも買える。それぐらいあり余っているものです。つまらない愚かしい時代遅れの核戦争をしてはいけないのです。
もし、ひとつの核がどこかで落ちたら他も一斉に撃ちませんか?人類が培ってきたものが全部灰になります。

 私が何十年も前、最初に法を説いた頃に言いました。
「地上に敵なく君臨する人類は、人類自身によって相互淘汰される。 
あるいは内なるもの(ウイルス)によって滅ぼされる」。
最初のころにあなた方に申し上げていますが、みなさんピンときてないと思います。
だから普通の類人猿だった人間がもうひとつ進化(神化)して、類神猿に変わっていかないといけない。

 人間を救いたい、宇宙を救いたい、それは何か? どうすればよいのか?
人間同士が同類である愛に目覚めないといけないのです。
人間の中に愛がない。粘着性がない。
何故こうなったのか? 
強い者の力をもってする覇権主義だからです。
弱いものを犠牲にしている世の中だからです。
創造主の前において我々は兄弟である。だから人類愛に目覚めていくことです。

(瀬川先生は八十数歳まで文章を打ち続けられましたが、これは終わりの頃の講演会よりテープおこしをしたものです)