それでは再び本題に入ろう。今から約20年前、15歳の少女4人が私宅を訪れ「神様から先生に渡すようにと言われました」と1枚の紙切れを渡された。その内容はこうだった。

 時がたち、地が崩れ落ちる時、竹の中から光が出るだろう竹に沈み鏡を探せ、鈴を鳴らし、竹を光らせよ水の鏡を抱く御子が、結びの紐を解くだろうとしたためてあった。

 一見すれば[かぐや姫の竹取物語]の伝説に酷似しているし、やって来た少女も、かぐや姫が月に還ったと同じような年、つまり15歳である。

 このまま直読しては、そこから何も生まれて来ない。そこで私は無我 無念 無想の禅定三昧に入って何ものかとコンタクトをとってみた。すると驚くべき事実にぶつかった。やはりこれもアナグラム、つまり字謎だったのだ。その字謎を解明しよう。

 時刻(とき)がたち 地が崩れ落ちる時期(とき) 岳(たけ)の中から光が出るだろう岳(たけ)に鎮(しず)み 鏡を探せ 鈴を鳴らし岳を光らせよ
水の鏡[明鏡止水の心の鏡]を抱く御子が結び[終末]の紐を解き放ち 肉の性から開放し自由を与えようと解明した。

 そのことがあってすぐに、当時もっとも期待し信頼していたD君に、根来の山で徹夜の禅定に入るようにいった。彼は私の命に従って車で入れる山の中腹まで父に送らせ、そこから徒歩で山に入りその状況を毎日報告してきた。

 [1日目]彼が山で禅定に入った深夜、どこからともなく拍手の音が聞こえて来た。

 [2日目]山すその方からシャラン シャランと鈴の音がし、次第に山頂にたどりつき、D君の前を通り過ぎるが姿も形も見えなかった。と報告を受けた。さらに[3日目]には棒状の蛍光灯のようなものが無数に現れ近づいてくると、その光の中にそれぞれ人の姿形をしたものが入っていて、彼はその人から色々の教えをうけたらしい。

 しかし何故かD君は、私にはその話をすることをあまり好まず、語りたがらなかった。何か一人の彼から、自分自身の人生や運命の歴史というか、履歴といったものが記載された巻き物のようなものを見せられたらしい。

 [4日目]は、彼が父の車で山の中腹まで送られて徒歩で山頂にたどりついた頃から、夜通し雨が降り続けたという。夜が明けると父が心配のあまりに着替えのものを持って、山頂に行き安否を尋ねたが、彼の周りは円形に一滴の水の気配もなく乾いていた、という報告を受けた。
 弟子D君から聞いた何とも不思議な報告は、私に何を教えようとしているのか?

 まず岳の字は、山の上の丘を指す。高千穂の峰、富士山、アルプスの○○岳、といわれる所になぜ神聖を表す鳥居があるのだろうか?きっとその山頂は神仏か神仏に近い最高に発達した宇宙人とのコンタクトの場ではなかろうか?

 しかも、彼の報告によると[1]拍手の音がし、[2]に鈴の音がし、[3]に神仏のような人が現れたといい、[4]に奇跡のような現象を見せて、それは夢でも幻でもない真実である、と証しているのではなかろうか?

 我々が神に会うために神社に詣でるとき、我々はまず鈴を鳴らし、ついで拍手を打つのに較べて、神が我々に会うときは逆に、まず拍手をうち、鈴を鳴らして現れたということは、我々に何を教えようとしているのだろう?

 しかもこのことは、後に岸本、多田羅夫妻を山に向かわせ徹夜の禅をさせたときも、棒状の蛍光灯のような無数の光を見たと報告を受けたし、その真実を証明するため生石高原で弟子の鳥羽の田川、九州の岡本、大阪河内の楠井、和歌山の同道親子、兵庫県篠山の笹倉君達と徹夜の禅定に入ったとき、深夜の高野おろしの寒風、そして宙天に真黄色の月がきて辺りが黄金色に染まったとき、私は宇宙の招きを得て宇宙に上がり、様々な教えを享けたが、多くの弟子たちは私が消えたのは目の錯覚と間違えて、誰一人私がいうまで気付かなかった。

 さて、あの少女たちが私に持ち来たった詩の末尾。[水の鏡を抱く御子が、結びの紐を解くだろう]の水の鏡を抱く御子とは何だろう?本来の人間の心は池の面のように、思い考える度に風に吹かれたように漣(さざなみ)が立って、水の面に映る周囲の景観も、漣(さざなみ)に邪魔されて映らない。

 その理を人間に当てはめると、欲や迷いや煩悩や、自我や自己保存欲の風で心が揺れ動けば、心に映るべき一切の映像がかき乱されて映らない。しかし禅で養われた無我、無念、無想の三昧の心の境地では、そうした一切の風が吹き荒れることがないので、心鏡に過去、現在、未来の実相と、仮相の予知と予見の全てを映し出すことができるのだ。
 しかも、その境地は大宇宙の叡智ともつながり、その叡智の導きを享けて、正に終局を迎えるように見えるこの世や人類を導いて、永遠の調和と繁栄の世界へと招き入れることが、[結び{終末}の紐を解く{開放する}だろう]ということだ。

 


LEVEL3  前ページへ 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 次ページへ

HOME   総合目次   プロフィール    ENGLISH   人類の希望(如是我聞)
ページのトップへ戻る