男よ
お前の涙はどこにいった
何故心の底から笑えぬ 何故口が重い
何故厳しい顔をする 何故感情を表に出さない

そうさ、男は
頼られても頼る事のできない 一家の先守(さきもり)としての掟に従い
只一人厳しい決断と選択と 勇気と忍耐と努力を強いられる

だから男は
雪原をさすらう孤狼(ころう)のように 淋しさに耐え
苦しさに耐え 悲しみに耐える事を覚え
口の重さを身上とし 心を隠す事によって身を守る

だから男はいつからか
涙を心の奥に押し込み 心を閉ざして孤独を愛し
酒酌み交わしても 心酌み交わす事がない

心を開くまい 心を開くと弱さがでる
涙を見せまい 涙を見せると心が崩れる

しかし男よ
その全てを見せて生きる男が
真に勇気ある強き男なのだ


 どうだろうか?こんな男が今の世にいたら、女は安心して男に身を委ねないだろうか。尊敬して男を立てないだろうか。幸せを味わえないだろうか。 戦後女性が強くなるのも結構だが、そのため男が女性化して顔に化粧し、服装も女性に合わせて後から見れば、男女の区別もつかないほどもジプシー化して、女性に媚びて、女性を養うこともなくセックスする。そんな弱い男のどこに惚れる。



女の業と宿命

一人の女がこの世に生まれた 彼女は成長し女となった
女は真実の愛を求めて男を待った
すると一人の男が女に近づき お前を愛していると
太古からの呪文を口ずさみ 女を抱きしばらくして去った
その女に多くの男が近づき そして去った
その姿は女という岸に寄せ来る波のようだった
波は狂ったように岸に寄せ来て 何事もなかったように岸を去る
しかし岸なる女は その都度心を絶望に追いやり
愛なる砂は波を追いかけ 傷ついた心は深間に入って死ぬ
女の愛の遍歴はそのように 去る波を迎えるように岸にあって波を待つ
その姿はかってエデンの園において 情念に燃える蛇の性を受け入れた
女の原罪ともいうべき 我が身につけた娼婦性にあるのだろう

そして女は自分自身の中に持つ処女性と 娼婦性の二面をからませて
時に白衣を纏って天に舞い 竜のように情念に身をよじらせ地獄を行く
しかし女はやがて地獄をも厭わぬ愛を覚え
愛に殉じ滅びを喜ぶ真愛の世界を知る時
女は体に纏ったウロコを払い 愛の光芒に身を包む聖観世音に変化する

ああ女よ
汝はその為に宛転于地(えんでんうじ)の人生を幾度か転生し 脱皮を繰返し
肉によって生き 肉に苦しみ悶え 肉をとおして得たもので肉を離れ
次第にドロドロとした心は透明度を増し
至純にして至高なる愛の奥義を知る時
愛の合体においてピンクに輝き ピンクは反転してグリーンとなり
ついには何ものをも許し受け入れ
何ものをも慈愛に導く聖観世音にと昇華する

 どうだろうか?これが女性に架せられた運命であり宿命とするなら、多くの女性は大小こそあれこの運命を通り、性に悩み性に溺れて、悩みと苦しみは果てなく、男の愛と理解と援助なくば茫漠たる地獄を行く。

 さらに言おう。女性は性の対象であるばかりでなく、その奥に母性を潜ませ、人間は誰しも生まれ育つ段階で母性の愛に触れる。だから男性に対して女性ばかりでなく、母性の部分をもあわせ持って接しられたとしたら、その男性は決して浮気しない。何故なら世の男性も人間である以上、母に勝る存在はないからだ。

 


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