私が生まれ育った頃の日本では、自転車が主流で、ラージという自転車が最高だったし、物質輸送は馬がひく馬力に頼っていた。
私が運送業を始めてしばらくたった頃、運転手のリクレーションの場を探して琵琶湖の湖北の国道を、オースチンという英国車に乗って走った。
その頃の湖北の道はトンネルが度々あり、湖にかかった鳥居を右手に見て次のトンネルで止まり、その小高い山に登った。
そこから8ミリカメラをまわして国道を写すと、まったく車の陰がなく、永い間待っていると三輪バタコ[自動車]がやっと通ったといった閑散さである。
ところがそれから10年も経たぬ間に、湖北の道路は車ラッシュで大渋滞を繰り返す。
最も隣国である中国も、自転車が主流であったが、見ているうちに単車になり、今は自動車が洪水のように走って、化石燃料である排気を垂れ流して、大気を汚染してはばかることがない。
しかも今や、自動車なしでは現代のビジネスや人々の生活が成り立たず、その快適さのゆえに地球の汚染と温暖化は促進され、それが今年のめったやたらの台風襲来のきっかけとはなってはいないか。
しかも日本がこれだけの被害をうけているのに、アメリカからも海外からも一切の援助を与えようとしないのは、所詮日本はアメリカに追従するしかない傀儡に過ぎないと見抜かれているのだろう。